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Published on 5月 20th, 2015 | by ダッド編集部

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映画ギーク佐藤光の「リトル★ニッキー」レビュー



この記事の執筆者は、映画ライターの佐藤光さんです。 ダッド|育児ジェントルへ、プロがエスコート

映画ライターが語る、映画「リトル★ニッキー」感想

[2000年 監:スティーヴン・ブリル 出:アダム・サンドラー、パトリシア・アークエット]

Hell yeah!!!

サタンが地獄の支配者になって一万年目、三人の息子たちの中から跡継ぎを指名する日がやってきた。ところがサタンは、いずれの息子も未だ統治者たる資質を備えていないと判断し、自身の任期をもう一万年延長することを決定する。冷酷な長男エイドリアンと粗暴な次男のカシウスはサタンに反発、好き勝手に暴れられる場所を求めて「業火の門」から地上へと出ていってしまう。サタンは末っ子のニッキーに、兄たちを地獄へ連れ戻すよう命令。気弱で世間知らず、コーラをペプシに変える程度の魔力しか持たないニッキーに、任務を全うすることはできるのか……。

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百億円近い制作費を投じながら批評・興行共に大爆死、「最低映画祭」ことゴールデン・ラズベリー賞でも五部門にノミネートされたコメディ映画であるが(ちなみにこの年のラジー賞は『バトルフィールド・アース』の圧勝に終わった。共に日本配給はギャガ・ヒューマックス。豪気だねぇ)、ヘンに気取らずひたすらバカに徹した作風は爽快で、そしてめっぽう面白い。

このテの作品にとって最大の敵は「照れと良識」だ。恥ずかしがりながらバカをやる演者はなんとも見臭いし、過ぎた健全さはギャグのキレを鈍らせる。その点、アダム・サンドラーは顰蹙を恐れずアホをやり切る気概の持ち主なので、観ていて安心である。「兄貴にシャベルで殴られて以来、顔がヘシ曲がっている」なんてくだらない設定のために、90分間ヘンな顔で通してみせるコメディ俳優というのはそれだけで貴重な存在ではなかろうか。

このシナリオでどうやって籠絡してきたものか、他のキャスト陣もマァ豪華なこと。特殊メイクでツノを生やしたハーヴェイ・カイテルがサタンに扮し、地獄の特大パイナップルでヒトラーの尻をイワす(!)。サタンとニッキー、それぞれの恋の相手役には、後年、オスカーを獲得するリース・ウィザースプーンとパトリシア・アークエット。盲目の終末論者をノリノリで演じている男をよく見れば(いや、一発で分かるが)、あのクエンティン・タランティーノ監督だ。クライマックスでは、伝説的メタル・バンド「ブラック・サバス」のアノ人が降臨、悪名高き例のパフォーマンスをパロった一発芸を披露する。ハリウッド大作というよりはバラエティ番組のコントのようなペナッペナの衣装に身を包み、各々のキャリアにとっては何のプラスにもならないような、いやむしろマイナスになりかねないような役を熱演する一線級役者の皆さん。まったくアンタら、なんて眩しいんだ!

ちなみに監督のスティーヴン・ブリルは、今作でラジー賞受賞を逃した悔しさをバネに(?)、その後も『Mr.ディーズ』(02年)、『トレジャー・ハンターズ』(04年)といったある意味マゾヒスティックなフィルモグラフィを築き続け、ついに『ムービー43』(13年)で最低監督賞の栄誉に輝いた。えーとその……よかったじゃん!

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年間200本以上の映画を鑑賞する映画ギークがオススメの映画をセレクト!

映画コンシェルジュ 佐藤光
1983年生。映像制作者・ライター。年間200本以上の映画や舞台を鑑賞し、買うCDはサントラばかり、いくら家計が厳しくともDVD・Blu-ray収集を止められない映画バカ。当の本人は「宵越しの銭っこは持たん主義」と涙目で強がっている。

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