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Published on 6月 1st, 2015 | by ダッド編集部

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(R-15指定)映画ギーク佐藤光の「狼の死刑宣告」レビュー



この記事の執筆者は、映画ライターの佐藤光さんです。 ダッド|育児ジェントルへ、プロがエスコート

映画ライターが語る、映画「狼の死刑宣告」感想

[2007年 監:ジェームズ・ワン 出:ケヴィン・ベーコン、ギャレット・ヘドランド]

〈荒ぶる親父の怒りが詰まった本作は、劇場公開時にR-15指定を受けました〉

毒を以て毒を制す

投資会社の副社長であるニックは、妻や息子たちと円満な家庭を築いていた。ところがある夜、長男と立ち寄ったガソリンスタンドでギャングの一団に遭遇、息子は殺されてしまう。程無くして実行犯は逮捕されるが、司法に基づく刑罰はその行いに対してあまりにも軽いものだった。ニックは起訴を取り下げ、釈放された犯人を尾行、自らの手で長男の仇を討つ。しかし殺された男がギャング団のリーダーの弟だったことから、報復の応酬は歯止めが効かぬほどにエスカレートしていき……。

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チャールズ・ブロンソン主演作品『狼よさらば』(74年)の原作者として知られるブライアン・ガーフィールドの小説を映像化したヴァイオレンス・アクション。物騒な邦題と「街のダニども、全員死刑に処す」という戦意剥き出しな惹句で一部の映画ファンの注目を集めた。

良き家庭人であり、職場での信頼も厚い様子であるニック。だが肉親の無念を晴らすためとはいえ、法を逸脱した復讐に足を踏み入れてしまえば、そこから先に待ち構えるのは修羅道のみだ。事態がズブズブと泥沼にはまり込んでいくに従い、ニックもその身を敵と同じレベルに墜としていく。もとより交渉など成立し得ない冷血な野獣と暴力で遣り合うためには、相手と同様、獣になるしかない。しかし毒を制するために毒を用いれば、自分もまたその代償を払わされることになるのである。

主演のケヴィン・ベーコンは印象的な悪役に扮することも多い個性派俳優だが、ギャングとの戦いの中でみるみる変容していくニックの姿には「なるほど、このためのキャスティングか!」と思わず膝を打つ。スキンヘッドにレザージャケットといういでたちで二連式ショットガンを構える「最終形態」に至っては、もはやヤクザ連中と同等か、それ以上の凄味を放っている。ゴロツキ共との格闘の最中、堅気の割にはケンカ慣れしているというか、妙な「カンの良さ」を見せる瞬間があるニックだが、何せ演じているのがあのベーコンなので「きっとこのファミリーマンにもヤンチャな時期があったのであろうなぁ」と自然に脳内補完できてしまうほどだ(笑)。このあたり、同じく犯罪被害者と加害者の報復合戦を描いた三池崇史監督作『太陽の傷』(06年 主演:哀川翔 R-15指定)にも通ずるものがある。

監督は、低予算スリラー『SAW/ソウ』(04年)で注目を集めたジェームズ・ワン。写真を見る限りではどこぞのカリスマ美容師にしか見えないアンちゃんだが、ホラー映画で培ったヒリつくようなサスペンス演出には定評がある。最近では『ワイルド・スピード SKY MISSION』(15年)を世界的メガヒットに導き、あちこちから監督オファーが殺到中だとか。これからの活躍が楽しみな期待の俊英である。

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映画コンシェルジュ 佐藤光
1983年生。映像制作者・ライター。年間200本以上の映画や舞台を鑑賞し、買うCDはサントラばかり、いくら家計が厳しくともDVD・Blu-ray収集を止められない映画バカ。当の本人は「宵越しの銭っこは持たん主義」と涙目で強がっている。

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