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Published on 6月 2nd, 2015 | by ダッド編集部

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映画ギーク佐藤光の「コマンドー」レビュー



この記事の執筆者は、映画ライターの佐藤光さんです。 ダッド|育児ジェントルへ、プロがエスコート

映画ライターが語る、映画「コマンドー」感想

[1985年 監:マーク・L・レスター 出:アーノルド・シュワルツェネッガー]

言いたいことはコレ(拳)に言え

テレビ放送の度に(いや、実際に放送されていなくても)、ネット上で実況スレッド乱立させての祭り騒ぎがおっ始まるほどの人気を誇る快作『コマンドー』。久しぶりに観直してみたが、80年代風テキトー加減と無闇やたらな景気の良さは、いつまで経っても目減りしていない。

開幕早々、ジェームズ・ホーナーの曲と共に、ブットい丸太ン棒を背負ったシュワルツェネッガーがチェーンソー片手にノッシノッシと森を歩いていく。『ターミネーター』(84年)まんまのクルーカットで眉ひとつ動かさない肌ツヤツヤのシュワ、今回は人里離れた地で孤独に生きるマッチョなワケあり隠遁者の役か……と思わせたところで、一人娘のジェニーちゃん登場。親子揃っての渓流釣りやプール遊び、鹿に餌付け(!)する等の牧歌的光景がモンタージュで映し出される。顔にアイスクリームを押し付けられて破顔するという、トレンディドラマも真っ青な演技を見せるシュワ。小学生の頃の筆者も、きっとこの仰天モノのツカミにクラッときたのだろう。

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当然、幸せな時間は長続きしないもので、シュワは悪い人たちに娘を攫われ、それをダシに某国大統領の暗殺を命じられる。ところが護送用の旅客機に乗り込むやいなや、目付役を肘鉄砲とチョークスリーパーで瞬殺したシュワは、離陸直後の飛行機から湿地帯へとダイブ。逃亡が発覚するまでの十数時間のうちにジェニーを救出するため、隠密行動とは名ばかりのやかましい猛追撃を開始するのだ。

映画の中のヒーローたちにとってもITスキルが必携となりつつある今日此の頃。しかし本作でのシュワのスタンスはすがすがしいほどのパワー重視、強引なドリブルである。Windows95によるインターネットの急速普及から遡ること10年、やっとこさショルダーホンが発売されたばかり、という当時のアクション映画においては、腕力と押しの強さこそがモノをいう。電話ボックスに逃げ込んだ悪漢は、ボックスごと床から引きはがしてポイ。銃砲店から万引きする時は、重機で店に突入。ポンコツの機械は殴りつければ直る(これを13年後、宇宙船の中で再現してみせたのが『アルマゲドン』(98年)のマイケル・ベイ監督。敬服です)。「等身大」なんて言葉が幅を利かせるようになる以前のヒーロー像はひたすら逞しく、豪快なこと鬼神の如し、である。

悪の本拠地に単身上陸し、持ち込んだ山盛りの武器を次々と装備していくシュワ。過度の重武装で美容室のハンガーラックみたいになってしまったその姿はしかし、問答無用の大迫力だ。押し寄せる雑魚兵を蹴散らしながら肌の露出も徐々に増やしつつ、仇敵・ベネット(ガテン系フレディ・マーキュリー)との雌雄を決する一騎打ちでは、赤銅色の筋肉を惜しげもなく晒しての肉弾戦を展開。激闘の締め括りで言い放つ台詞も含め「これぞシュワ映画!」ともいうべき醍醐味がたらふく味わえる。

ジェニー役のアリッサ・ミラノは撮影当時11~12歳。シュワが死体の山を築き上げながら守ろうとするのも納得の可愛らしさであるが(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14年)に登場する主人公の愛機「ミラノ号」も、80年代後期のティーン・アイドルだった彼女の名に由来)、このコが10年そこそこ後にB級サスペンス映画で演技ならぬ艶技を連続披露することになろうとは、さしものシュワ父も予想していなかったに違いない。まったく、親の心子知らず、である(何が?)

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年間200本以上の映画を鑑賞する映画ギークがオススメの映画をセレクト!

映画コンシェルジュ 佐藤光
1983年生。映像制作者・ライター。年間200本以上の映画や舞台を鑑賞し、買うCDはサントラばかり、いくら家計が厳しくともDVD・Blu-ray収集を止められない映画バカ。当の本人は「宵越しの銭っこは持たん主義」と涙目で強がっている。

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