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Published on 11月 25th, 2015 | by ダッド編集部

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映画ギーク佐藤光の「セッション」レビュー



この記事の執筆者は、映画ライターの佐藤光さんです。 ダッド|育児ジェントルへ、プロがエスコート

映画ライターが語る、映画「セッション」感想

[2014年 監:デミアン・チャゼル 出:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ]

ジャズで勝負のヤンキー映画

偉大なジャズ・ドラマーになる夢を抱いて、名門シェイファー音楽学校へ入学したアンドリュー。その演奏を目の当たりにした指揮者のフレッチャーは、アンドリューを自身のスタジオ・バンドのメンバーとしてスカウトする。才能が認められたと有頂天になるアンドリューだったが、バンドに対するフレッチャーの指導は体罰や面罵も当たり前という苛烈なものだった。プライドをズタズタにされながらも、青春の全てを特訓に費やしてメイン・ドラマーの地位を獲得しようとするアンドリュー。しかしフレッチャーのスパルタ指導は、アンドリューの鉄の意思を挫こうとするかのようにますます激しく、常軌を逸したものになってゆき……。

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とにかく、鬼教官フレッチャーに扮するJ・K・シモンズの威圧感が凄まじい(「先生」でも「講師」でもなく、「教官」という呼び方がシックリくる)。望み通りの演奏を引き出すためなら奏者がブッ倒れるまでやり直しを命じ、口汚く罵り、ビンタを張り、パイプ椅子を投げつける。サム・ライミ監督版『スパイダーマン』シリーズ(02年、04年、07年)のアコギな編集長役で、ある意味主人公を最もネチッこく苦しめ続けたシモンズだが、こちらは鉄拳制裁にも躊躇が無い分(そして愛のムチと純然たるイジメが混在しているため)、数段タチが悪い。劇中でも、厳しい指導について一応もっともらしい説明はつくものの、おそらくフレッチャーも己の激しさと感情を理解しきれておらず、コントロール不全に陥っている部分があるのではなかろうか(でなければ、憤怒の形相で掴みかかってきた教え子に向ける驚きの表情や、自爆覚悟でアンドリューをハメようとする行動の理由づけが困難である。人一倍根に持つタイプだということは間違いないが)。

そんな教官のハードなカワイガリを受けて立つのが、ジャズに全てを捧げた男アンドリューだ。芸術に理解を示さない肉親も、恋人への未練もバッサリと切り捨て、フレッチャーに真っ向勝負を挑む。「偉大な表現者になるためには孤独であるべき」という彼の考え方は明らかに手段と目的が逆転しているし、あまりに極端。しかし心の奥底で、音楽に対する「狂気」をフレッチャーと共有しているアンドリューにとっては、外世界の常識など屁でもない。フレッチャーも、自分の指導に唯々諾々と従うだけだった生徒たちの中から突如出現したこの異端児に本気でぶつかっていく(それが大人げない卑劣な遣り口であったとしても)。手から鮮血滴らせ、一心不乱にドラムを叩くアンドリューの姿はまさに鬼神の如し。拳の代わりに音を繰り出しての「対決」は、まるでヤンキー映画のタイマン勝負である。そしてヤンキー映画において、雌雄を決する全力バトルの末に芽生える感情といえば……ウホッ、ごっつぉさんです。

劇場公開時、映画の内容を巡って著名なジャズ・ミュージシャンと映画評論家が論争を繰り広げたことでも話題になった本作。舌戦の模様を傍観していた人たちの中には「○○さんが正論。よって傑作」「いやいや、××氏のほうが正しい。ゆえに駄作」なんて意見を戦わせる者も現れたが、あまり他の人の感想に引っ張られるのも如何なものかと。特定の職業や題材に一家言ある人が、映画で「アレ?」と感じた描写にモノ申したくなるのは自然なことだし、かといってディテールに気を取られるあまり、作品を楽しめなくなってしまうようでは勿体ない。自分の好きな映画が賞でも獲ればそりゃ嬉しいが、「受賞したから傑作」なんて決めつけはアベコベもいいところである。「フーン、こういう意見もあるのか。だけど良し悪しは自分で判断するもんね!」……これくらいのスタンスでいる方が、ずっとリラックスして映画鑑賞に臨めるはずだ。

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年間200本以上の映画を鑑賞する映画ギークがオススメの映画をセレクト!

映画コンシェルジュ 佐藤光
1983年生。映像制作者・ライター。年間200本以上の映画や舞台を鑑賞し、買うCDはサントラばかり、いくら家計が厳しくともDVD・Blu-ray収集を止められない映画バカ。当の本人は「宵越しの銭っこは持たん主義」と涙目で強がっている。

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