ダッド編集部 【DL終了】AppStoreからもGoogle Playからも削除された禁断のアプリ「卒論 カスの極み乙女」をネタバレしちゃうぞ!

Published on 2月 2nd, 2016 | by ダッド編集部

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【DL終了】AppStoreからもGoogle Playからも削除された「卒論 ゲスの極みと恋する乙女の恋愛物語」をネタバレ!【完全版】


最終章 忘れない日

【DL終了】AppStoreからもGoogle Playからも削除された禁断のアプリ「卒論 カスの極み乙女」をネタバレしちゃうぞ!

部屋の中のぬぐるみは、今日もニコニコと笑っている。
私・・・私は、全てを失って、
一人部屋の中に座り込んでいる。
昨日も、一昨日も、
部屋からほとんど出ていない。

マネージャーからの電話も出ていない。
スマホも触れないままでいる。

だけどケンちゃんからの連絡待っている
私がいる・・・

「家でゆっくり休養して。
また笑顔を私にもみせてよ。」

今日は私の誕生日・・・。

けれど、
いつものように部屋で、
虫みたいに丸く凹んでいる。

もうずっと家の外に出ていない。

春にはまだ遠い冬の空から吹く風が、
部屋の窓を叩く。

少し前まで、
私はきらびやかな照明と
多くのカメラに囲まれて、

綺麗な服を着て、
ファンのみんなの温かい喝采に
包まれていた。

辛い時に辛いって言えなかったけど、
それでもあの時、
私はみんなに必要とされていた。

ケンちゃんに会って、
私は恋を知った。

これが本物の愛おしさだと思った。

今までの私は偽りなんだと思った。

でもその恋すら、
偽物だったっていうの?

私は本気だった。

本気で、
全てを彼に捧げられると思ったんだ。

今の私には何もない。

スマホももうならない。

誰も私を必要としない。
私自身さえも・・・。

テレビから甲高い笑い声が聞こえる。

顔を上げて大きなテレビを見つめていた。

画面の真ん中で、
金髪の若い女性ハーフタレントが
楽しそうに笑っている。

今日のこの時間は、
私がMCする予定だった、
特番「ライブフェス2016」だ・・・。

「マリちゃん!今日も君は明るいねー!」

「はーい!明るさの押し売りって言われてまーす。おっけー☆」

しゃべり方も、名前も、服装も背丈も、私にそっくり。

私の代わりに、
事務所が用意したハーフタレント・・・。

彼女を紹介する動画がテレビから流れる。

最近、人気急上昇・・・。
CM業界でも、彼女は引っ張りだこ・・・。

私って、本当に、もう必要ない。

完全に、この世界から消えてしまったんだ。

それなら、
この身体もまるごと、
消してしまおうかな・・・。

・・・・。

ブーブー
形態のバイブだ。誰?

スマホを拾うと同時に、
画面にメッセージが表示された。

差出人は・・・
ケンちゃん・・・?!

「テレビ見てほしい!ライブフェス2016」

ボタンを押して、
メッセージの続きを開く。

手が震える。

「え・・・?」

私はテレビを見た。
今日のゲストは・・・

「紅白にも出場した、カスの極み乙女さんでーす!」

「カス極のみなさんには都内某所の高層ビルの屋上からの中継でお送りします!」

彼は私の想いに答えるように、
画面の向うで笑った。

「それではカスの極み乙女さんの新曲・・・卒論・・・」

彼がマイクの前に立っている。

「誰に何を言われたっていい。欲しければ、手をのばせばいいだけなんだ。」

彼の声が、
音の波に乗って、
私の部屋にこだまする。

私は・・・
夢を見ているの?

とその時、
今度は電話が来た。
相手はまた「ケンちゃんだ!」

とっさにスマホを耳にあてた。

「誕生日おめでとう。今、エリちゃんの家の外にいる。大丈夫だからゆっくり出てきてほしい。

その声を聴いたと同時に、
私は部屋を飛び出していた。

わけもわからず階段を駆け下りて、
玄関の扉を開ける。
勢いあまって、
目の前の何かにぶつかりそうになった。

ふわっと、
かぎ慣れた香りが
私の鼻をかすめる。

顔を上げると、
私が一番会いたかった顔が
そこにあった。

「ケンちゃん・・・!」

「エリちゃん、待たせちゃったね。テレビのあれは中継じゃなくて収録にしてもらったんだ。・・・これ、婚姻届け」

嘘。私、やっぱり寝ぼけてる?

「夢だと思ってる?オレだよ」

黙ってうなずく。

「キスしていい?」

クビを横に振った。

待って。もういいの。

やられっぱなしは、もう嫌なの。

「私からキスするの。そうじゃなきゃ、嫌!」

そう言って、彼の首元にしがみついた。

やっとケンちゃんに会えた。
この瞬間を待っててよかった。

その時。

「アーティストの山谷ケンタさんですね。」

「違法薬物所持の疑いで、逮捕する。」

突然、
私服警官らが私たちを取り囲んだ。

・・・警察!?
どうして!?

言葉を発する暇もなく、
私達は引き裂かれ、
彼は連行された・・・。

私が握ってた、
婚姻届はゆっくりと
堕ちていった。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
それから数日・・・
マネージャーから聞いた話だと、

ケンちゃんは、
あの騒ぎ以降、
違法ドラッグに手を染めていた。

それがとがめられ、
音楽活動の「無期限活動休止」
が事務所から発表された。

それと、
私達の密会やLINEのメッセージをリークした人物は・・・

ケンちゃんが人気になる前に活動していた、
昔のバンド仲間だった。

ケンちゃんが
音楽で成功した妬みと、
私との付き合いを自慢されたことが
きっかけになったとか・・・。

みんなは
ケンちゃんの奥さんがリークしたんじゃないかって
話になってたみたいだけど・・・

奥さんは疑いをかけられて、
こんなことになってしまって・・・。
・・・本当にごめんなさい・・・。

私は・・・。

今は、
ご飯を食べて、
お風呂に入って、
たまにテレビを見て、
買い物に行って・・・。

徐々にだけど、
いわゆる「普通」の生活をしている。

どうかなぁ。
これが「普通」で、
合ってるのかなあ・・・。

ドレスを着たかわいいぬいぐるみは、
友達の姪っ子に、
あげちゃった。

かわいいでしょ。
大事にしてあげてね。

スマホは怖くてまだあんまり、
触れない。

だから今はまだ、
みんなが結局私の事をどう思ってるか、
知らないんだ。

今日もお洒落をして、
玄関の扉を開ける。

涙が一滴。

これは、自分が自分の為に流した、
最後の涙だ。

私はまた一歩ずつ、
私らしさを探しながら歩いていくよ。

外は少しずつぽかぽか陽気。
太陽の光はやっぱり気持ちが良い。

時間が経てば、
この冬、心に抱いた
悲劇的に見える真面目な話は
もう忘れてしまってるかもしれない。

私達に一番似合っている顔は
まちがいなく笑顔だから。

ごめんね、ケンちゃん。

両成敗だね。

さよなら!

さてと。

今日も、一日、
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・がんばる!
・・・fin

この記事の執筆者は、Webデザイナーでダッド編集部員の窪田匡知さんです。 ダッド|育児ジェントルへ、プロがエスコート

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