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Published on 5月 9th, 2016 | by ダッド編集部

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【本気迸るR15+指定!】映画ギーク佐藤光の「レヴェナント:蘇えりし者」レビュー



この記事の執筆者は、映画ライターの佐藤光さんです。 ダッド|育児ジェントルへ、プロがエスコート

映画ライターが語る、映画「レヴェナント:蘇えりし者」感想

[2015年 監:アレハンドロ・G・イニャリトゥ 出:レオナルド・ディカプリオ]

オスカー受賞もラクじゃない

1823年、アメリカ北西部。
狩猟隊案内人のヒュー・グラスは、グリズリーに襲撃されて瀕死の重傷を負う。以前からグラスに反感を抱いていたゴロツキのフィッツジェラルドが高額の報酬と引き換えにこの半死人の臨終見届け役を引き受けるのだが、死にそうで死なない髭モジャおじさんのお守りは、ただでさえイラチな気性のフィッツジェラルドにとっては結構……ダルかった。
「殺り逃げ」という人でなし極まりない決定に異を唱えたグラスの倅ホークを粛清し、急拵えの墓穴にグラスを蹴り込んでトンズラ決め込む外道王子フィッツジェラルド。しかし燃えたぎる復讐心と強靭な生存本能を持つグラスは、なんと地獄の底から執念のリヴァイヴ!
未開拓地のそこかしこに転がる幾多の苦難を乗り越えながら、仇敵フィッツジェラルドを猛然と追撃する……。

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映画製作者にとって最大のステータス・シンボルともいわれるアカデミー賞。候補になるだけでその後の作品オファー数やギャランティー、映画界における「地位」までもガラリと変動させてしまう(ごく稀に「オスカーなんか要らねぇよ!」と突っ撥ねてしまう反骨の闘士もいるにはいるが)。そんな賞を2年連続受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督、そして3年連続で撮影賞獲得という快挙を成し遂げたエマニュエル・ルベツキは確かにスゴい。だが、第88回アカデミー賞授賞式の会場を最も沸かせたのは、『レヴェナント』で5度目の男優賞ノミネートとなったレオナルド・ディカプリオ(以下、プリオ)がついに念願のオスカー像を手にした瞬間かもしれない。本編を観ればそれも納得、映画の好き嫌いは別にしても、今回ヒュー・グラス役でプリオが見せた体の張り具合はちょっと常軌を逸しているのだ。

怒れる子連れ熊にメッタメタに叩きのめされ、開幕早々ボロ雑巾同然のポンコツになってしまうプリオ。
脚がオジャンなので険しい雪山を這いずって進むしかなく、水を飲めば喉元の傷口からビュルッとダダ洩れ(そんな深手なので発声もままならない)。しかも背後からは、先住民のワケあり武装軍団がちょくちょく攻撃を仕掛けてくるため、座してカサブタが生ずるのを待つ暇も余裕もない。まさに満身創痍、死亡フラグが全身にブッ刺さっているような状態なのだが、生への執着と強烈な復讐心がプリオの満身にクソ力を注ぎ込む。
野生動物の残飯を食らい、猟銃用の火薬で傷を焼灼(『ランボー3/怒りのアフガン』(88年)か!)。寒中水泳も何のその、必要とあらば馬のお腹の中にだって潜り込む(筆者の友人曰く「馬肉布団」。なるほど、アツアツのお布団には違いないわな)。理想的なロケ地を探し出すまでに相当の苦労があったという本作なのに、内容を思い出そうとして真っ先に頭に浮かんでくるのは、歯を食いしばってンフー、ンフーと荒い息を繰り返すプリオの鬼神の如き顔面どアップである。「大自然の中では人間などちっぽけな存在」……遭難とサバイバルがテーマの映画を評する際の常套句だが、とんでもない、コレのどこがちっぽけか!凄まじい画面支配力で雄大な自然に競り勝ってしまったプリオ。これはもう、賞でもあげなきゃ収まりがつかんでしょ。

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あともう一点、オススメポイント兼注意点として挙げておきたいのが、全国拡大公開級の映画としてはかなり刺激が強い暴力・グロ描写の数々だ。あっちに肉塊こっちに内臓、指は飛び頭皮が剥ぎ取られる情無用のフルコース。年齢制限が付いている時点である程度の心構えはできると思うのだが、それでも上映終了後「コンナハズジャナカッタ……」的な表情を浮かべて帰路につくお客さんが結構目についた。血に耐性がない方は、本編157分の大半をゲッソリ気分で過ごす羽目になるやもしれない。でも巨大熊と相撲をとらなきゃならないグラスさんの絶望感に比べたら、安全なシートで少々ブルーな心持ちに陥るぐらいどうってことはあるまい。高さ30cmそこそこの金メッキ像を勝ち取るための苦労は、並大抵のモンじゃあないのである。

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年間200本以上の映画を鑑賞する映画ギークがオススメの映画をセレクト!

映画コンシェルジュ 佐藤光
1983年生。映像制作者・ライター。年間200本以上の映画や舞台を鑑賞し、買うCDはサントラばかり、いくら家計が厳しくともDVD・Blu-ray収集を止められない映画バカ。当の本人は「宵越しの銭っこは持たん主義」と涙目で強がっている。
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