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音楽のプロ A_Moon_Shaped_Pool

Published on 5月 10th, 2016 | by ダッド編集部

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【レビュー】Radiohead: A Moon Shaped Pool を作曲家が解説



Radioheadのアルバム”A Moon Shaped Pool”をお洒落素人が聞いてみた

2016年5月9日にデジタル媒体でリリースされたイギリスのロックバンド「Radiohead(レディオヘッド)」のアルバム「A Moon Shaped Pool」。第9作目となる本作品のリリースに、全世界のファンが衝撃を受けたそうですね。

なんでも、今作はSNSなどで「過去最高の出来」と称するファンが少なくないそう。しかし、私と同じ職場の無類の洋楽好きの方にしてみれば「今作は前作よりは良いと思うが、過去最高と言うほどか?」というのです。

Radioheadさんのお名前は存じていても普段彼らの曲を聞かず、クラシックやジャズ、どポップスを愛聴する私ですが、その方に「音楽的にこのアルバムどうなの?」と言われたので、早速彼らのアルバムをiTunesで1500円で購入し、聞いてみました。

「月の形の水たまり」という題名通り、それっぽいアートワークが目を惹きます。こんなお洒落なカバーのアルバム、人生で買った試しがないのでそわそわしました。

遊び心を感じるコード進行

まずは「Burn the Witch」から拝聴。

「魔女を焼く=魔女狩り」というタイトルの一曲。歌詞については、スコットランドをテーマにしていることがわかりますね。MVを見ると世界観がわかりやすいです。英国紳士が、扉に血の☓(バツ)を書いたり魔女狩りをするスコットランドの風習を眺めるが、最終的には大きな人型の櫓で自身が火炙りにされるという内容。歌詞と併せて、スコットランドを下に見るイングランド人の極右派を皮肉っているように感じられます。

曲について、メロでは[F♯]と[E]コードの繰り返しがお洒落なストリングスで続き、サビになると[F#][D][E][A][B]を繰り返すという構成。調性を排して全てメジャーコードを鳴らすのが特徴的ですね。F#メジャー調かと思いきや、いきなり[E]を出してハシゴを外し、サビではまさかの調性ガン無視の全メジャーコード。「安定」をもたらすトニックの「メジャー(Major)」コードのみで押し切る所に、イングランドの「マジョリティの安定性・絶対性」を表現しているのではないか、という推察をしてしまいます。

良い意味で感情のない世界観

次に「Daydreaming」を拝聴。

ピアノのリフが特徴的な一曲ですね。メロでは[ラ・レ・ミ]のリフに[ラ]の低音、[ソ・ド・レ]のリフに[ファ]の低音をならし、各コードの3度の音を鳴らさない繰り返しが続きます。メジャーともマイナーともとれる、喜びも悲しみも感じ得るほわんとした曲調を演出していますね。まさに”Daydreaming=うたた寝”の世界観なのでしょう。

大サビ、目覚めの時が近づくと音色も多彩になり、Dメジャー調のわかりやすいコード進行に。最後はコントラバスの弦の音でいびきを表現して終わる。コントラバスを使った効果音といえば伊福部昭さんのゴジラの鳴き声が先駆ですが、おそらくその手法を知ってのことでしょうね。日本人として嬉しいです。

音の一つ一つの役割を理解しながら聞きたいアルバム

世界観を大事にするバンドという印象があるRadioheadさん。レディオヘッド初心者の私でも、音の一つ一つから彼らの表現したい世界観を少しは感じ取れたような気がします。

私は、このように調性を排したオルタナティブ音楽?は好んで聞きませんが、そのミックスや音の作り込みは感服です。全体的にやわらかいパッド音を多用したり、2016年現在の軽音楽の流行をくむ編曲ながらも、ギターやストリングスの独特な入れ方で「ただのピコピコシンセじゃ終わらせねーぞ」という意思を感じました。

今作のアルバムで初スタジオ音源化となった曲「True Love Waits」は、やはりこのアルバムの中では異質に感じました。コード進行がポップであり、Cメジャー調のダイアトニックコード以外は[G♯]と[Fm]くらいしか使っておらず、メロディも動きが多いです。編曲こそこだわっていますが、その魂はわかりやすい”バンド”の曲であると感じました。

盲信に疑問

「とにかくRadioheadを褒めておけば音楽センスが高いと思われる」という風潮がある、と、先述の洋楽好きな知り合いが語っていました。確かに、Radioheadさんの曲を理解するには、世界史のお勉強と音楽理論のお勉強をすることから始まるのではないか…と私も感じる次第。

このアルバムの中ですら「True Love Waits」と他の曲では明らかに曲作りへのアプローチが違うことは明白なのに、何でもかんでも「今作も素晴らしい!レディオヘッド最高!」とツイートしている方を見ると、本当に2016年現在に彼らが意図する自身の作品の差別化要素を理解しているのか、疑問が残ります。

音の一つ一つを書き取り、そのメッセージを丁寧に読み取る必要がある…それが”A Moon Shaped Pool”だと感じました。「耳に入れた」だけで曲の素晴らしさを語ってしまうのは何もわかっていない証拠でしょう。もっとも、私も彼らの曲を真に理解するにはまだまだ、力不足であると実感するところですが。

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執筆者: 音楽制作者 丘ズバヲ 音楽家Tobeyに師事する音楽好きなサラリーマン。カラオケ音源を制作する副業をしたりと、作曲についての知識はそれなり。バイセクシャルゆえ、イケメンミュージシャンに目がない。

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