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Published on 6月 9th, 2016 | by ダッド編集部

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映画ライター佐藤光の「光る眼」レビュー



この記事の執筆者は、映画ライターの佐藤光さんです。 ダッド|育児ジェントルへ、プロがエスコート

映画ライターが語る、映画「光る眼」感想

※レビュー内にはネタバレを含みます。

[1995年 監:ジョン・カーペンター 出:クリストファー・リーヴ、カースティ・アレイ]

「人間もどき」に魂は宿るのか?

あらずし

アメリカ西海岸の平和な田舎町、ミッドウィッチ。
ある日の午前10時、町の住民が一斉に昏睡状態に陥る。数時間後に人々は目を覚ましたが、大勢の女性が同時に妊娠していることが判明。やがて産まれてきた子どもたちは皆、高い知能と銀色の髪、そして人の心身を意のままに操る「光る眼」を持っており、自分たちに危害を加えようとする者を冷酷に殺害していく。町医のアラン・チェフィーは、ロボットのような子どもたちに「人間らしさ」を教えようとするが、不可解な存在を恐れる住民と光る眼の子どもたちの衝突は、もはや避けられそうになかった……。

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ジョン・ウィンダムの『呪われた村』を原作にした、鬼才ジョン・カーペンター監督のSFホラー。
『未知空間の恐怖/光る眼』(60年)とその番外編『続・光る眼/宇宙空間の恐怖』(64年)に続く、3度目の映像化作品である。
凶悪事件の犯人なんかを指して使う「人の皮を被った悪魔」なんて言い回しがあるが、本作に登場する子どもたちはまさにそれだ。意識を共有して常にグループで行動し(しかも男女でバディを組むことで恐るべき超能力が発現)、読心術で大人たちの策略を易々と看破、行く手を阻もうとするものを精神感応で「操作」して自滅に追い込む。そもそも母体からして、謎の存在(エイリアンか邪神の類か、劇中ではっきりした正体は明かされない)が種を植え付けるための容器として選ばれたにすぎないので、親子の絆とか情愛といったものはハナから持ち合わせていない。彼らをつき動かすのは生存競争の原初とも呼ぶべき掟、つまり「弱肉強食」だ。

そんな光る眼の子どもたちに対し、「どこかよそから来た生き物を育てている」という思いを拭い去れないミッドウィッチの住民たち。少なくとも、子どもたちの生態を秘密裏に調査している政府機関からの高額な助成金に釣られ、ろくな覚悟もせぬまま出産に踏み切ってしまった連中には、健全な子育てなど望むべくもない。これでは治験アルバイトや、自由研究キットを使った昆虫の観察と大差ないではないか。チェフィーが提示した「共存の道」は子どもたちにすげなく切り捨てられるが、同じ提案を大人サイドに投げかけてみたところで答えは変わらなかっただろう。隷属を拒絶する二つの種族が共存共栄……人類の歴史を振り返ってみても、ハッピーエンドの可能性は限りなくゼロに近い。

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とはいえ、本作はペシミスティックな終末論の中に微かな希望を忍ばせてもいる。人間と「何者か」のハイブリッドとして生まれながら、感情の萌芽を予感させる少年、デヴィッドがそうだ。彼が他の子どもたちと違って超能力を持たない理由については、パートナーになるはずの女児が死産した結果の機能不全であろうと劇中で語られるものの、成長過程で親(宿主)から真っ当な愛情を受けたことが人格形成に大きく影響している可能性は無視できない。デヴィッドが人間たちにとっての「破滅の種子」となるか、はたまた『2001年宇宙の旅』(68年)のスター・チャイルドよろしく、人類を次の進化に導くメンターとしての役割を担うのか、それは最後まで曖昧なままだ。だが、『遊星からの物体X』(82年)や『マウス・オブ・マッドネス』(94年)等の過去作では一筋の光明すら見出せぬ暗黒世界を描いてきたカーペンター監督が、何故ここでは一歩退いて温情措置ともとれるエンディングを選択したのだろうか?『光る眼』の公開からおよそ20年、今でも少年犯罪や児童虐待、育児放棄などのニュースは絶えることがない。現実と地続きのテーマであるからこそ安易な答えは出せないが、同時に、まだ望みはあると信じたい……決して声高に主張されるわけではないメッセージの中に、かつて「暴力のポルノ作家」とまで貶められたカーペンター監督の意外な一面を垣間見ることができた気がする。 

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映画コンシェルジュ 佐藤光
1983年生。映像制作者・ライター。年間200本以上の映画や舞台を鑑賞し、買うCDはサントラばかり、いくら家計が厳しくともDVD・Blu-ray収集を止められない映画バカ。当の本人は「宵越しの銭っこは持たん主義」と涙目で強がっている。
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