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Published on 6月 10th, 2016 | by ダッド編集部

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ボクシング映画「サウスポー」を映画ライター佐藤光がレビュー。エミネムの人生をベースにしたド直球スポ根映画!!



この記事の執筆者は、映画ライターの佐藤光さんです。 ダッド|育児ジェントルへ、プロがエスコート

映画ライターが語る、映画「サウスポー」感想

※レビュー内にはネタバレを含みます。

[2015年 監:アントワーン・フークア 出:ジェイク・ギレンホール]

“Don’t lose yourself.”

あらすじ

ビリー・“ザ・グレート”・ホープは、43戦無敗を誇るボクシング世界ライト・ヘビー級王者。
しかし、チャリティー・イベントの帰り道に起きた他選手との諍いが発砲事件へと発展し、流れ弾を受けた妻が命を落としてしまう。自暴自棄に陥った結果、富も名声もプロ・ライセンスも失い、ついには娘の養育権まで手放さなければならなくなるビリー。八方塞がりの元チャンプは、再びリングの上に立つべく、とある寂れたボクシング・ジムの門を叩く。そこにいたのは、拳闘の表舞台から退いたトレーナー、ティック・ウィルズ。彼こそ、かつてビリーが最も苦戦したボクサーを鍛え上げた名コーチだった……。

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映画『スリーパーズ』(96年)の舞台にもなったマンハッタンの危険地域「ヘルズ・キッチン」で生まれ、施設で育ったヤンチャ坊主、ビリー(ちなみに、再開発が進んだ現在のヘルズ・キッチンは、掃き溜め呼ばわりされていた頃とはダンチの高級住宅街だそうな)。優れたファイターではあるがキレやすく、何かとトラブルを起こしがちな彼にとって、苦楽を共にしてきた恋女房と一人娘は心の拠り所であり、生きがいだった。だがある日、その宝物のうちの一つが突然消える。しかもコトの発端は、ライバルの下卑た挑発に我を忘れ、思わず繰り出してしまった自分の拳……深い悲しみと自責の念にかられて、ビリーは戦意を喪失してしまう。もともとロクにガードも取らない力任せなファイティング・スタイルで勝利をモノにしてきたボクサーが、攻撃するガッツを失えばサンドバッグ化するのは必至。私生活もどんどん悪い方向へと転がってゆき、気付けばリングの内にも外にも居場所が無くなっていた。

このままじゃ、残った最後の宝まで失う羽目になる……保護者不適格の烙印を押されかけたビリーが汚名返上する手段は、やはりボクシングしかない。トレーナー役を引き受けたティックがビリーに課したのは、場末のジムで便所を掃除し、用具を片付け、蛍光灯を取り換える丁稚奉公の日々(汚い言葉を使えば、ペナルティとして罰金を徴収される)。ティックはビリーに己の弱さを再認識させ、戦いのテクニックのみならず、怒りを制御する術をも叩き込む。まるで『スター・ウォーズ』シリーズにおける、ジェダイとお弟子さんの構図である(師匠側とて苦悩を抱えており、必ずしも完全無欠の存在ではない、という点も含めて)。短気な若者が弱点を克服し、どん底からの再起を目指す熱血スポ根ドラマ。こりゃ確かに、ヒップホップ・ミュージック界の反逆児エミネムにピッタリの企画ですわな……なぬ、エミネム???

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聞けばこの作品、フランコ・ゼフィレッリ監督のボクシング映画『チャンプ』(79年)のリメイクとして始まった企画と、エミネムの実体験(特に、ヒップホップ・ユニット“D12”のチームメイトにして親友だったプルーフが2006年に射殺された事件)のブレンドという一風変わった工程を経ているらしいのだ。言われてみれば、今どきの映画にしては珍しいくらいド直球な筋立ても、エミネムの半自伝的作品『8 Mile 』(02年)に通底するものがある。当初はビリー役をエミネムが演じる計画まであったそうだが、そこはやはり個性派俳優ジェイク・ギレンホールの起用が大正解だろう。観る者皆をムカつかせる胸クソ傑作『ナイトクローラー』(14年)で、12kg減量して挑んだギョロ目パパラッチ役から一転、半年間の猛トレーニングで獲得したシックスパックは、腹にキングサイズの板チョコでも縫い込んでるんじゃないかと思うほど見事なものである。もちろん、過激な肉体改造も、ストーリーに説得力を与えられるだけの演技力があって初めて活きてくる。ちょっとばかし体重を増減させた程度で「いい仕事したぜ」とドヤ顔きめてる自称・カメレオン俳優の皆さんは、も少し遠慮して活動したほうがいいと思いますよ(せめて、ギレンホール兄貴の目が届いちゃう範囲では)。

いまや映画監督として揺るぎない地位を確立したアントワーン・フークアは、かつてデヴィッド・フィンチャーやマイケル・ベイも所属していたビデオ制作会社「プロパガンダ・フィルムズ」の流れを汲む人物。長編デビュー前にCMやミュージック・ビデオの監督として活躍していたためか、映像と音楽のマッチング、特にラストの締め方が実にカッコいい。前作『イコライザー』(14年)の最後で、モービーの“New Dawn Fades”からエミネムFeat.シーア“Guts OverFear”にスイッチングする瞬間も大層シビれたが、今回はフランク・オーシャンの“Wiseman”(もともとは『ジャンゴ 繋がれざる者』(12年)のために書き下ろしたものの、劇中未使用に終わった曲)で、センチメンタルなムードが最高潮に達した瞬間からの……エミネムFeat.グウェン・ステファニー“Kings Never Die”。エエね!ベタと言われようと、エエもんはエエ(実はこの原稿も、使用楽曲をリピート再生しながら書いております、ハイ)。映画全体の印象というものは、ラストにどう着地するかで大きく変動する。たとえ「○○年に一本の傑作!」なんて出来じゃなかったとしても、劇場からの帰路を清々しいものにしてくれる作品は、それだけで花マル満点を献上したくなってしまうのだ。

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映画コンシェルジュ 佐藤光
1983年生。映像制作者・ライター。年間200本以上の映画や舞台を鑑賞し、買うCDはサントラばかり、いくら家計が厳しくともDVD・Blu-ray収集を止められない映画バカ。当の本人は「宵越しの銭っこは持たん主義」と涙目で強がっている。
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