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Published on 7月 6th, 2016 | by ダッド編集部

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映画「トリプルヘッド・ジョーズ」を映画ライターがレビュー《毒々映画大進撃vol.1》



この記事の執筆者は、映画ライターの佐藤光さんです。 ダッド|育児ジェントルへ、プロがエスコート

映画ライター佐藤光が語る、映画「トリプルヘッド・ジョーズ」感想

※レビュー内にはネタバレを含みます。

[2015年 監:クリストファー・レイ 出:カルーシェ・トラン、ジェイソン・シモンズ]

オアシスに小便(なんのこっちゃい)

今日も世界のあちこちで、新しい映画が企画・撮影されている。
自主制作まで含めれば、進行中のプロジェクトはトンデモない本数になるだろう。だが大勢の観客の目に触れ、なおかつ称賛を浴びる映画など、そのうちのホンの一握り。成功した作品群からちょっと視線を移してみれば、そこには死屍累々の地獄絵図が広がっているのだ……。このコーナーでは、そんなオドロオドロしい堆積物の山から気になる物件をサルヴェージ。鬼が出るか蛇が出るか、大ケガ覚悟のトライアルに挑んでみようと思います。まず初回は、低予算便乗Z級作品の量産で悪名高い映画会社・アサイラムが『ダブルヘッド・ジョーズ』(12年)に続いて放つ海洋パニック・ムービー『トリプルヘッド・ジョーズ [DVD]』!不思議だ。書き始めたばかりなのに、早くも切ない気分だよ。

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予告編を観れば、大まかなストーリーも誰がどう死ぬかも粗方分かるので、その辺はバッサリ省略。
とにかく見どころはといえば、「双頭の次は三つ頭じゃね?」という安易すぎる思い付きから産み出されたトリプルヘッド・ジョーズ(以下、トリプルヘッド)に尽きる。本家本元の巨大人喰いザメ映画『JAWS/ジョーズ』(75年)から早40年、「今さら背ビレだけでサスペンスを引っ張る焦らし演出もないだろう」という観客心理を慮ってか、開幕から2分と数十秒目、何のタメもなく無造作に画面を横切るトリプルヘッド(その直後に、海底を進むサメ視点を挟み込んでくるあたりが早くも迂闊。編集の順番、どう考えても逆じゃろが……)。予算規模のわりになかなか「らしく」見える瞬間もあるCGザメだが、三つ首以外のスペックだって結構スゴい。ボートが座礁するような浅瀬で派手な空中ジャンプをキめ、陸地でもある程度の活動が可能(伊藤潤二のホラー漫画『ギョ』みたいなもんか)。しかもゴミで汚染された海が大のお気に入りで、海中に浮遊するビニール袋だの空きカンだのを貪り食ってはラリハイになるという謎の嗜好まで持つ。制作サイドのお手軽乗算方式によって作られた感がアリアリだが、ここまでやられると逆に清々しい気もしてくるのだから、人間のメンタリティーってやつはつくづく神秘的だ。

作り手が純ナマの阿呆で、なお且つ手間ヒマかけるのが大嫌いな横着者だった場合、それはストーリーや登場人物たちの造型にも簡単に伝播する。不必要な行動ばかりを繰り返し、着実に頭数を減らしていく本作のホモ・サピエンス御一行に、サメよりマシな知能のオーナーはどうやら含まれていない模様。トリプルヘッドが等しく御馳走にありつけるように、という無意識の心遣いか、三人横並びの理想的配膳フォーメーションをとるスカタン衆が一度ならず登場、めでたくサメの滋養と成り果てる。ボートに乗ってもピースカと大騒ぎ、「一番近い陸地まで○○キロだ。畜生、燃料がもたねぇ!」なんて喚いちゃいるが、そんな画面の両端では、彼らが血眼になって探しているはずの「陸地」とやらが絶賛見切れ中(「あれはただのサンゴ島!安全じゃないの!」と言いたいのかもしれないが……そんな紛らわしいもの、映像処理もせずに放置すんなや)。オツムどころか視力も悪い。トリプルヘッドに遭遇しなくても、バカげた事故か何かで数年以内に全員クタバってたと思いますよ、きっと。

そんな絶望的状況(色々な意味で)の中、「何故か銃器を満載している釣りブネの船長」という期待煽りまくりな役で突如登場するのは、アカスリ用の軽石みたいな顔面も凛々しい「俺たちのオジキ」ダニー・トレホ!!ロバート・ロドリゲス監督の一連作品への出演で、もはや彼のトレードマークとなった山刀(マチェーテ)をココでもブン回し、生意気なサメ野郎の首をチョンパ。トリプルヘッドをダブルヘッドに強制降格させる獅子奮迅の大活躍をみせる。一足先にヌケヌケ陸地へ辿り着いていたバカ御一行も、救世主の雄姿に思わずウットリ、もちろん女子は皆トレホの虜……と、なりかけた次の瞬間、反則レベルの治癒能力で復活したお化けザメのひと噛みによって、トレホ呆気なく惨死退場。おそらく監督は、「頼り甲斐のあるキャラがまさかのリタイア!」という『ディープ・ブルー』(99年)なんかでやってたショック演出を目論んだのであろうが、勘違いすんなよバカ野郎!こちとら、やっと見つけたオアシスの湧き水にションベン放られた気分だぜ。

呆然としている間にも物語はチンタラ進み続け、最後にはアタマ同士の不仲(!)という弱点を突かれたトリプルヘッド〈改〉が、半ば自滅めいた形で海底深くへと没してゆき、決着。生き残った連中は“We did it!”なんて言って喜びを分かち合っとるけど……お前ら、「イイ汗かいたね」的な達成感を味わうに値する行為、劇中一つでも見せてくれたっけか?レンタル料金を返せ!時間を返せ!!トレホを返しやがれ!!!日本の片隅でいくら喚き立てようと、厚顔不遜なアサイラムは歩みを止めるどころか振り返りもしまい。新規顧客(カモとも呼ぶ)を獲得し、世界中のイカモノ好きからカネを巻き上げるために、今日も新たな便乗ネタを狙ってドブ池地獄を遊泳しているに違いないのだ。

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映画コンシェルジュ 佐藤光
1983年生。映像制作者・ライター。年間200本以上の映画や舞台を鑑賞し、買うCDはサントラばかり、いくら家計が厳しくともDVD・Blu-ray収集を止められない映画バカ。当の本人は「宵越しの銭っこは持たん主義」と涙目で強がっている。
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