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Published on 8月 18th, 2016 | by ダッド編集部

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映画「ジャングル・ブック」を映画ライターがレビュー。ジャングルの空気感も再現するCGのクオリティに感動!



この記事の執筆者は、映画ライターの佐藤光さんです。 ダッド|育児ジェントルへ、プロがエスコート

映画ライター佐藤光が語る、映画「ジャングル・ブック」感想

※レビュー内にはネタバレを含みます。

[2016年 監:ジョン・ファヴロー 出:ニール・セディ 声:ビル・マーレイ]

デジタルが生み出す驚異の自然

あらすじ

ジャングルで黒豹バギーラに拾われ、狼の群れの中で育てられた野性児モーグリ。
人間に深い恨みを持つ虎のシア・カーンに命を狙われていると知ったモーグリは、仲間たちに危害が及ぶのを避けるために群れを去ることを決意する。バギーラと共にジャングルを進む中で、怠け者の熊バルーや人間の力に憧れる巨猿キング・ルーイなど、新たな出会いを重ねていくモーグリ。しかし怒りに燃えるシア・カーンは、憎き人間の少年を無き者にしようと執拗な追撃を仕掛けてきた……。

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アイアンマン』(08年)、『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(14年)などで知られるジョン・ファヴロー監督が、ディズニー・アニメ『ジャングル・ブック』(67年)をリメイクしたファンタジー・アドベンチャー。製作前~撮影初期段階には「実写作品だ」、「いや、CGアニメらしい」と情報が乱れ飛び、どっちが本当なのかハッキリしてくれや、と内心ブーたれてもいたのだが、結論的には両方正しかった。なにせ主人公以外で画面に映るモノはほぼ全てがCG(一部ではセット撮影も併用)という大胆手法。『アバター』(09年)の異星風景に、『ゼロ・グラビティ』(13年)での宇宙空間、『シン・シティ』(05年)や『300<スリー ハンドレッド>』(07年)のコミック感覚表現などでデジタル・バックロットが用いられること自体は今や珍しくもなくなったが、本作における「ジャングルの湿った空気や匂いまで感じ取れそうな」実景再現度の高さには驚かされる。

密林に生息する多種多様な動物たちも、それら全てがドットの集合体であるとは思えない生々しさ。体毛表現一つとってみても、剛毛か和毛か、濡れているのか乾いているのかで絶妙な描き分けが成されており、「全部CG」という前知識なんぞ、映画を観ているうちに何処かへ吹き飛んでしまうほどだ(特にバギーラやシア・カーンなど、ネコ科動物のしなやかな身のこなし・筋肉の躍動感は特筆モノ)。だが同時に、彼らは“th”の発音も完璧な英語を操り、歌も踊りもこなす完全擬人化キャラクター。表情や動作に微かな「人っぽさ」を加味することで、ハイパーリアルなCGクリーチャー(たとえば、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(12年)に登場したベンガルトラ「リチャード・パーカー」)とはひと味違う効果を生み出している。「実物とは違う、マジカルな雰囲気をとらえたかった」というファヴロー監督の目算が、狙い通りドンピシャに当たった結果だろう。

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斯様に背景から共演者までデジタルで埋め尽くされた世界では、むしろ生身の登場人物であるモーグリ少年のほうが異物として悪目立ちしてしまうのではないか、という心配も出てきそうなものだが、子ども特有の少々おぼつかない感じを残したモーグリの動きは、実写とCGの境界にイイ具合のグラデーション効果をつけてくれている。何たって、主役のニール・セディ君がアニメ版のモーグリそのまんま!スティーヴン・ソマーズ監督版『ジャングル・ブック』(94年)のマッチョな青年モーグリに感じた「キミ、誰?」という一瞬の違和感すら抱かせない(こちらも本編そのものは見事な出来ばえ、主演のジェイソン・スコット・リーも好演しております。誤解なさらず)。長編映画初出演にして初主演、クランク・イン当時はまだ11歳だったとか……まったく、世界ってやつは広いのぅ。

物語自体は安定のディズニー印、老若男女が安心して楽しめる高水準のエンタメ作品なのだが、CG技術がこの先どこまでグレードアップしていくのかを考えると、ちょっぴり怖さも感じてしまう。「デジタル・キャラクターが生身の俳優の地位を脅かすことはない」というのは現在の定説だし、リアルなCGキャラを作り出すには、依然として膨大な時間と資金が必要だ。しかし、このまま技術革新が繰り返されれば精度は高まりコストは下がり、やがて「大根役者よりCGを使え!」なんて命令がインディーズ低予算映画の現場でも当たり前のように飛び交う日がやってくるのではないかしら?液体金属ロボット、恐竜、類人猿、その他大勢の動物たち……とくれば、実物と寸分違わぬ「ヒト」が、オスカー俳優顔負けの堂々たるお芝居を大スクリーンで披露する未来も、単なる夢物語ではなくなりつつあるのかもしれない。年を取らず、NGを出さず、疲れ知らずでロケ弁も食わぬ完全無欠のスターが生み出されたなら……アイドルの写真を年代順に並べて「劣化ぢゃ!劣化ぢゃ!」と好き勝手に騒いでた頃が懐かしく思えるかもしれませんな。

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映画コンシェルジュ 佐藤光
1983年生。映像制作者・ライター。年間200本以上の映画や舞台を鑑賞し、買うCDはサントラばかり、いくら家計が厳しくともDVD・Blu-ray収集を止められない映画バカ。当の本人は「宵越しの銭っこは持たん主義」と涙目で強がっている。
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