【アカセカ】ヤタガラス(誰がために黄泉をゆく)の男子物語を攻略【覚醒ネタバレ有】
ヤタガラス(誰がために黄泉をゆく) 第二話 意外な顔
熱によって、意識が朦朧としているのかーー
ヤタガラスさんは、完全に私をアマツカミだと思い込んでいるようだ。
ヤタガラス「申し訳……ございまセン、アマツカミ」
ヤタガラス「まさかワタシの身にこのような災いが降りかかるなんて……ッ」
アカセカ巫女「……あの、ヤタガラスさん。そろそろ手を……」
握られたままの手を解こうとすると、ヤタガラスさんの表情が切なげに歪んだ。
ヤタガラス「お願いデス……もう、どこへも行かないでください……」
アカセカ巫女「……!」
逆に手を引き寄せられてしまい、私は助けを求めようと周囲を見回す。
ニニギ「アカセカ巫女、すまんのぅ……もう少し、手を握ってやっててくれんか?
オモイカネ「こんなヤタくんを見るのは初めてだよ……これも書き留めておこうかな」
オモイカネくんはふところから紙を取り出して、何かを書きつけ始める。
ヤタガラス「アマツカミ……ふふっ♪これでずっと一緒デス」
病のせいで、顔色は悪いものの一
私の手を握るヤタガラスさんは、見たことがないほどに無邪気な笑顔を浮かべていた。
陰 +10 ……大丈夫ですか?
陽 +10 しっかりしてください
アカセカ巫女「……大丈夫ですか?」
いつもと違う様子に戸惑いつつ、恐る恐る尋ねるとー
ヤタガラス「ワタシを心配してくださるのですカ?嬉しいデス……」
甘えるように顔を寄せられ、思わず体がこわばる。
(か、顔が近い……!)
オロチ「まあ、大人しくしてくれるなら問題ないだろう。今のうちに先へ進むぞ」
私達のやり取りを見守っていたオロチさんがあっさりと言った。
アカセカ巫女「は、はい……」
ヤタガラス「……」
ヤタガラスさんは相変わらずにこにこと上機嫌に笑っている。
結局私は、ヤタガラスさんと手をつないだまま窟へと向かうことになった……
…
……
オモイカネ「……ここだね。入り口が岩で塞がれてる。文献に書かれた通りだ!」
先頭を歩いていたオモイカネくんが足を止めて、開いた本と大きな岩を見比べる。
ニニギ「オロチ。動かすのを手伝ってくれんかのぅ?」
オロチ「わかった……巫女の娘、こいつを頼めるか」
アカセカ巫女「あ、はい。わかりました」
ぐったりとしたヤタガラスさんを手近な木の下に座らせる。
ヤタガラス「……」
私の肩にもたれるヤタガラスさんは、すでに意識を失っていた。
(早く、病に効く果実を見つけないと……)
いつもとは違う表情を見てしまったせいか、あるいは無防備に預けられた体温のせいかーー
私は晋段よりもわずかに速い鼓動を意識しつつ、窟の中に進む決意を新たにしていた……
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