【アカセカ】ヤタガラス(誰がために黄泉をゆく)の男子物語を攻略【覚醒ネタバレ有】
ヤタガラス(誰がために黄泉をゆく) 第五話 帰り道の罠
ヤタガラスさんの体調が回復した後、私達は来た道を引き返し、地上を目指していた。
アカセカ巫女「……あれ?」
奇妙な違和感を覚えて、私は立ち止まる。
見れば、すぐ傍を歩いていたはずのオロチさんやニニギくん、オモイカネくんの姿がない。
アカセカ巫女「さっきまで、ここにいたのに……」
ヤタガラス「黄泉の窟とは、そういうところなんですヨ」
隣でヤタガラスさんが肩をすくめた。
ヤタガラス「ここに住む化け物達は、この地に足を踏み入れた者を簡単に帰そうとはしまセン」
ヤタガラス「人間の中でも、特に穢れた罪人達が集まるところ。……反吐が出そうデス」
(そんな……)
陽 +16 皆を探しましょう
陰 +16 外へ出る方法は?
アカセカ巫女「……外へ出る方法は?」
ヤタガラス「……」
意味ありげな笑みを浮かべ、ヤタガラスさんが首を傾けた。
ヤタガラス「ありますから、心配しないでくだサイ」
ヤタガラス「ですガ……そのためには、ワタシの言うことをちゃんと聞いてもらいマス」
目の前にすっと白い手のひらが差し出される。
ヤタガラス「巫女サマは、ワタシから離れないでくだサイ。ネ?」
ヤタガラス「貴女はアマツカミを呼び戻すのに必要なお方。ここに残していくわけには参りませんカラ」
アカセカ巫女「……」
ヤタガラス「……巫女サマ。やはり貴女から、アマツカミに似た匂いを感じマス」
先ほどのことを思い出した瞬間、ほぼ無意識で後ずさりしてしまった。
(……どうしてだろう)
(なんでこんなに、ヤタガラスさんが怖いの……?)
ヤタガラス「どうして逃げるのですカ?ワタシと一緒に来てくだサイ」
蜜のような甘い声が、私に向かって囁きかける。
ヤタガラス「さっき、ワタシは貴女にアマツカミと同じ光を感じましタ」
ヤタガラス「貴女はやはり、普通の人間共とは違う……」
アカセカ巫女「……」
ヤタガラスさんが一歩近づく度、私も後ろへと下がった。
ヤタガラス「アマツカミを呼び戻すためにも、こんな穢れた地からは早く逃げ出さなければ」
ヤタガラス「だからワタシと一緒にー」
こちらへと伸ばされる手を見た瞬間、膨れ上がっていた不安が一気にはじける。
(逃げなきゃ……!)
私はヤタガラスさんに背を向けて、無我夢中で走り出した。
…
ヤタガラス「……おやおや、こんなところで走ったら、道に迷ってしまいますヨ?」
後ろから聞こえたつぶやきが、耳にまとわりついていつまでも離れなかった……
次ページ:第六話 二人のヤタガラス