【アカセカ】ヤマトタケル(初めてのおつかい)の男子物語を攻略【覚醒ネタバレ有】
ヤマトタケル(初めてのおつかい) 第三話 果物とお魚と……
緑深い森の奥に、上機嫌な鼻歌が響いている。
ヤマトタケル「ふん、ふん、ふふ〜ん♪」
アカセカ巫女「……」
(タケルくん、なんだかすごく嬉しそうだなあ)
初めておつかいに行くというタケルくんが心配で、私はその後について行っていた。
(一度、木の根につまずいて転びそうになってたけど)
(今のところは大丈夫そうかも……)
ほっと胸を撫で下ろした時だった。
ヤマトタケル「お姉ちゃんに頼まれたのは、果物とお魚と……あれ?あとなんだっけ」
(野菜だよ、タケルくん!!)
思わず心の中で叫んだけれど、タケルくんの耳に届くはずもない。
ヤマトタケル「えっと……そうだ!温野菜だ!!」
(惜しい!温めなくていいのに……)
教えてあげられないのをもどかしく思いながら見守る。
やがてタケルくんは、果物がたくさん実っている木の前で足を止めた。
ヤマトタケル「よいしょっと……あれ?」
果物へと伸ばされた手が、あと少しのところで空を切る。
ヤマトタケル「うー、、どうしよう……」
アカセカ巫女「……」
背伸びをしたり、ジャンプをしたりと苦戦するタケルくんを見つめながら、私は迷ってい
た。
陽 +12 出ていく
陰 +12 出ていかない
(……これはもう、仕方ないよね?)
身を隠していた木の影から出てタケルくんの元へと近づいた、次の瞬間ーー
ヤマトタケル「あと、もうちょっとー、わっ!?」
つま先立ちをしていたタケルくんが、後ろへとひっくり返りそうになる。
アカセカ巫女「タケルくん!」
慌てて駆け寄り、私はその背中を支えた。
アカセカ巫女「ふう、間に合った……」
ヤマトタケル「あれ、お姉ちゃん。なんでここにいるの?」
ひっくり返らずに済んだタケルくんは、背中を支ている私を見て目を丸くする。
アカセカ巫女「ええっと……一人で残るのが退屈だったから。私も一緒に行っていい?」
ヤマトタケル「もう、お姉ちゃんは寂しんぼうだなあ」
ヤマトタケル「いいよ、一緒に行こう」
タケルくんは屈託のない笑みを浮かべた。
(……最初から、こう言えばよかったのかも)
内心で苦笑しながら、人数分の果物をもいでいく。
あっという間にいっぱいになった籠を背負い、タケルくんは身軽に立ち上がった。
ア力セカ巫女「重くない?私も半分持つよ」
ヤマトタケル「軽いから平気だよ!じゃあ、次はお魚だね」
タケルくんは私の手を取ると、弾むような足取りで歩き出す。
こうして私達の「おつかい」は幕を開けた……
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