【アカセカ】藤原道長(月下の恋物語)の男子物語を攻略【覚醒ネタバレ有】
藤原道長(月下の恋物語) 第二話 恋の玄人?
道長さんが勧めてくれた恋物語を読み終えた後ー
その余韻に浸りながら、私は先ほど読んでいた本をもう一度めくる。
アカセカ巫女「……この本って続きものですよね?次の巻はないんですか?」
藤原道長「あー……あるかもしれへんな。行ってみよか」
アカセカ巫女「え、行くってどこに……」
私の疑問には答えないまま、立ち上がった道長さんが私の腕を掴む。
藤原道長「ええから、ええから」
そうして、私は道長さんに腕を引かれるまま屋敷を出た。
…
……
連れてこられたのは、花宮の一室だった。
あの恋物語を書いた女流作家達は皆、ここで宮仕えをしているらしい。
御簾の向こう側へと入れさせてもらうと、華やかな女性達が優雅な微笑みを見せてくれた。
女流作家1「あの話はまだ執筆途中ですから、続きはありませんの」
女流作家2「でもそんなにも気に入ってくださったなんて嬉しいわ」
女流作家3「こうして読む人が増えてくれるのも、道長様が文学への援助を惜しまないでくれるおかげね」
アカセカ巫女「援助……?」
藤原道長「これでも貴族やからな。文学の一つくらい、たしなんでおかんとまわりが色々うるさいんよ」
私が上げた声に、御廉の向こうから道長さんが答える。
藤原道長「……ま、そないな話はどうでもええことや」
藤原道長「せっかく来たんやし、他にも色々話聞いてみたらええんとちゃう?」
アカセカ巫女「……そうですね」
(道長さんの文学援助の話も気にはなるけど……)
私は改めて、女流作家達に向き直る。
アカセカ巫女「……あんな素敵な物語書けるなんて、何か秘訣はあるんですか?」
女流作家1「いい恋物語を書く秘訣を知りたいの?」
女流作家2「それなら道長様に習う方がいいかもしれないわ」
アカセカ巫女「道長さんに?」
女流作家2「道長様といえば、言い寄られて落ちない女性はいない恋愛の玄人だもの」
女流作家達がいたずらっぽく笑うと、御廉の向こうで、道長さんが小さく肩をすくめる。
藤原道長「何言うとるん?来るもんは拒まず、去るもんは追わずや」
藤原道長「俺から口説くなんて、面倒なことはせぇへんよ」
アカセカ巫女「え……」
当然だとあかりの言い方に、思わず乾いた声が漏れた。
(さっきは綺麗な恋物語が好きって言ってたのに……)
理不尽な怒りが湧いてきて、私は思わず口を開く。
アカセカ巫女「それって、恋のうちに入るんですか?」
アカセカ巫女「言われたままに相手をすることが本物の恋だなんて、倒底思えないですけど」
道長さんの軽薄な言葉に、つい噛みつくような言い方をしてしまった。
すると、道長さんは御廉の向こうでおかしそうに笑い声を上げる。
藤原道長「本物なあ……そこまで言うんやったら、ほんまもんの恋、あんたが教えてくれるん?」
道長さんの低くなった声を聞いて、背筋が寒くなった。
アカセカ巫女「教える、って……」
藤原道長「まさかあんた自身、ほんまもんの恋が何か知らへんのに」
藤原道長「そない偉そうなこと言うてたんちゃうやろな?」
陽 +10 違います!
陰 +10 教えればいいんですね
アカセカ巫女「ち、違います!私は、その……」
藤原道長「せやったら、俺にもしっかり教えられるやんなあ?」
藤原道長「いやぁ、楽しみやなあ。あんたが教えてくれるっちゅーほんまもんの恋……」
藤原道長「どんだけすごいんやろなあ?」
からかっているだけだとわかっていても、今さら言葉を引っ込めることなどできそうにない。
(本当に……私が道長さん相手に「恋」なんて教えられるのかな)
余計なことを言ってしまったかもしれないと思いながら、私はわずかに視線を落とした……
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