【アカセカ】中島敦の男子物語を攻略【覚醒ネタバレ有】
中島敦 第四話 デートの練習
恋を題材にした一編を書く。
芥川さんに出されたお題に応えるため、私と中島さんはデートの練習をすることになった。
(中島さん、もう来てーー)
(……って、何してるんだろう?)
中島敦「ちゃんとできるかな……本当に大丈夫だよね……あー、心配だ〜!」
中島敦「大丈夫……落ち着け落ち着け……僕なら絶対大丈夫……」
中島さんは何かをぶつぶつとつぶやきながら、道端を歩きまわっている。
(緊張してるのかな……なんだか微笑ましいかも)
アカセカ巫女「ごめんね、おまたせ」
中島敦「うわあっ!?」
声をかけた途端、中島さんは目に見えて飛び上がった。
中島敦「い、いやその……今来たところさ!」
取り繕ったように襟を正す中島さんに、思わず笑みがこぼれてしまう。
陰 +14 そっか
陽 +14 本当に?
アカセカ巫女「ふふ、そっか」
中島敦「そうそう!だから全然待ってなんかないよ!」
中島敦「緊張のあまりここで一時間くらいうろうろしてたとかそんなことないから!!」
(……一時間も前からいたなんて。待たせちゃって、悪かったなあ)
中島敦「今日は、デートを楽しもう」
中島敦「だから……ててて手を握ってもいいかな?今日は、恋人のふりをするんだろう?」
中島さんは、顔を真っ赤にしてうつむきながら、私に手を差し出す。
アカセカ巫女「う、うん……」
手をつなぐと、私の胸もどきどきと騒ぎ出した。
(なんだか、中島さんの緊張がうつったみたい……)
中島敦「そ、それじゃ……どこか行きたいところはある?」
アカセカ巫女「行きたいところかあ。何も考えてなかったけど、中島さんは?」
中島敦「な、なら……映画館に行こう!今日は僕がエスコートするね」
こうして私達は、映画館に向かったのだった。
…
……
中島敦「……」
(中島さん……)
(映画が始まって、五分くらいでぐっすり寝てたなあ……)
中島敦「ごめん……実は昨日よく眠れなくて、映画館って暗いからつい……」
アカセカ巫女「ふふ、気にしないで。気持ちはわかるよ」
中島敦「きみと感想を語り合うこともできないし……」
(落ち込んじゃった……)
しょんぼりする中島さんを元気づけられないかと、私は辺りを見回す。
すると、店先にたくさんの本を並べている書店が目に入った。
アカセカ巫女「あ、ほら。中島さん、あっちに書店があるみたい」
アカセカ巫女「せっかくだし、行ってみない?」
中島敦「書店かあ……行ってみよう」
…
……
お店に入るや否や、中島さんの表情がきらきら輝きだした。
中島敦「この芥川先生の新作、もう発表されてるんだ!」
中島敦「こっちはまさか先生の作品の初版本……!?」
手当たり次第に書棚に手を伸ばす中島さんは、先ほどとは打って変わっていきいきとしている。
中島敦「はっ!ご、ごめん!僕だけ楽しんじゃって!」
アカセカ巫女「ううん。私も楽しいから大丈夫」
中島敦「そ、そう……?」
(やっぱり、こっちの方が中島さんらしくて素敵だな)
私のことを気にしながらも、中島さんは既に両手にどっさり本を抱えている。
そんな様子が微笑ましくて、自然が笑みがこぼれていた。
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